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酵母はほとんどフランス産

一時、気になってスーパーなどでドライイーストを見る度に箱を裏返して産地をみてみたが、必ずフランス産であった。ネット通販などでは、オーストラリア製のドライイーストなども見かけるが、多くの場合フランス産のドライイーストが多い。まあ、「パンとチーズとサントリーワイン」(古い)では無いが、この手の発酵食品のルーツはフランスにあり、そのキモである酵母も良い株が選び抜かれているという事なのかも知れない。
そんな中、白神こだま酵母は珍しく国産の酵母だ。一度どぶろく用に試したが、あふれ出る泡がどうしようもなく、大変な目にあった。仕方が無いのでパンに使ったが、これも具合が悪かった。国産なので、この風土に合っているのか、えらく元気の良い酵母だが、その味わいには賛否両論あるようだ。残念ながら、私のところでは、味を云々できるレベルにたどり着かなかった。そういえば最近、気温も下がったので、あの元気が役に立つかも知れない。ちょっと試してみるか。

赤ワインは酵母を選ぶ [イリーガル]

ワイン醸造の勉強をして、少し面白い事がわかった。白ワインは、葡萄ジュースを作ってから、そこに酵母を入れて醸造するが、赤ワインの場合は、皮や種が混ざった状態で発酵させ、その後皮や種を除去する工程になっている。つまり、白ワインは、市販の葡萄ジュースに酵母を入れて醸造しても、本式の醸造とそう違わない工程になるが、赤ワインの場合は、ジュースからスタートすると、条件が異なってくる。実は、この皮や種が入っている事が重要で、ここに含まれる乳酸菌の一種が、酵母が生成する酸を分解して、まろやかな味にするという。この乳酸菌と酵母のコラボは、日本酒の醸造でも重要な役割を持つが、日本酒の場合は最終的に乳酸菌は酵母に交代するのに対し、赤ワインの場合は、最後まで同居し、酸の分解を担う点が異なっている。(乳酸菌の種類も異なる)
で、ぐだぐだと書いたが、皮や種を含まない、市販の赤葡萄ジュースに酵母を入れただけでは、市販のワインとはかなり異なった味のワインしかできない事になる。要するに非常に酸っぱいワインになるのだ。これを重層で中和するというテクニックもあるようだが、酵母を選ぶというのも一つの手法だ。下に紹介した白ワイン用の酵母を、赤ワイン用に使うと、すごく酸っぱいワインができあがり、とても飲めたものじゃない。カタログには、白、赤どちらにも使えると書いてあるのだが、あくまで、それは皮や種を一緒に入れた通常の醸造の場合であり、葡萄ジュースから作る場合には、どうも適合しないらしい。では、全然だめかと言うと、そうでもない。赤ワイン用の酵母を使えば、葡萄ジュースからでもちゃんと酸っぱくないワインができる。今回は、バイオファームのルージュというワイン酵母を試してみた。その結果、Cote de Blancsの場合とは全く異なり普通に美味しい赤ワインができた。
やはり、酵母の選択は重要である。醸造に最適な酵母を探し、その中で自分の好みに合ったものを探すのは、面倒ではあるが、その分うまく行った時の喜びはまたひとしおである。

酵母勝負、結果はドロー? [イリーガル]

下記の2種類の酵母でつくったドブロクが、良い感じに仕上がって来たので、飲み比べてみた。
第一印象はシャンパーニュが優勢だった。しかし、飲み進むうちに、結果は微妙に。
どちらも、パン用の酵母や、他のワイン酵母でつくった時のような変な苦みは出ず、すっきりしたおいしいどぶろくになった。ただ、季節柄、低温だったからだろうか、麹による糖化よりも低温でやや元気な酵母による発酵が先に進み、かなり辛口のどぶろくになった。そのため、うまみの違いが今ひとつはっきりしない。実は、こういうときには逆に冷蔵庫に入れると、酵母の活動が一気に抑えられ、やや甘めになる。それをやっていないので、微妙な違いがわからないのだ。で、飲み比べるうちに、べろべろになってしまい、結局結論が出ないまま、今日は二日酔いだ。
で、個人的にはどちらもうまいので、どっちもOK。むしろ、あとは作り方によると思われる。


どぶろく、酵母勝負だ!

日本酒の酒造メーカーでは、最適酵母の選定に余念が無い。当然のことであろう。しかし最近では、どぶろくも市民権を得てきて、吟醸酒と同等の精米や酵母選びをしたどぶろくの通販も見受けられる(もちろん、合法どぶろく)。しかし、協会酵母は、酒造免許が無ければ手に入れることはできないし、山田錦はそもそも高価で、それを60%まで精米するなど、一般市民には想像もできない。やはり、自家製のどぶろくの場合、手軽に手に入る材料で作るしかない。とはいうものの、できるだけおいしく作りたいというのも、これは当然の要求である。で、手軽に手に入る、飲用の酵母といえば、ワイン用酵母という事になるのだ。パン用の酵母は、短時間の発酵用であり、最終的に焼いて食べてしまうので、それを飲んだ場合の味は開発項目から外れていると思われる。使用量も、1回のパン焼きで3-5g程度と圧倒的に多いので、製造コストも問題になる。一方、ワイン用酵母は、それを飲んだ場合のテイストも問題になる代わりに、20リットルのワインに対して、7g程度しか使わないので、多少値が張っても、おいしいものが売れるという構図ができると思われる。で、幸せなことに、日本酒用の協会酵母は一般人には手に入らないが、ワイン用酵母は通販でいくらでも購入できる。で、実際に何種類か買ってみた。
ここまでは、全くの合法である。これから先、実際にワイン酵母を使ってどぶろくを造り、アルコール濃度が1%を超えた時、違法となる。従って、善良な市民の方は以下の下りを真に受けて試すことの無いよう、お願いしたい。

というわけで、現在 Cote des Blancs (RED STAR) とPasteur Champagne (RED STAR)で勝負の真っ最中である。前者は、これまでの自己ベストイースト、後者はとある通販業者のおすすめイーストである。どちらがおいしいどぶろくになるか、近日報告する予定である。もちろん、本当に作ってしまうと、違法なので、あくまで夢の話として聞いていただきたい。
ちなみに、以前パン用酵母2種と白神こだま酵母も試したが、パン用酵母は苦みが出てNG(ワイン用酵母でも同様の苦みが出ることがある)、こだま酵母は、何しろすごく泡を吹いてしまい、その処理に追われて大変だった。まあ、味は良かったような気もするが、おすすめしない。その点、Cote des Blancsは、苦みが出にくく、本来のうま味が楽しめる。これに、Pasteur Champagne がどこまで対抗するかが見物だ。いまのところ、スタートダッシュの力は、Pasteur Champagne にありそうだ。いつもながらCote des Blancsはのんびりやさんという印象のイーストである。

ペクチンに注意 [イリーガル]

自家醸造を禁止した際に、いろいろデマも流れた様で、その一つに自家醸造では毒性の高いメタノールができるのでは無いかといううわさがある。これは、戦後の粗悪な闇酒に工業用エタノールが使われたため、高濃度のメタノールが混入していた事がうわさの元になったようだ。工業用エタノールにメタノールが含まれているのは、飲用に使用させないためである。
実際、エタノールの醸造の際、メタノールも若干生成されるらしいが、問題になるレベルの濃度ではないので、気にする必要は無いと言うのが本当のところのようだ。しかし、生成メタノールの濃度は発酵対象の成分により、若干異なり、ペクチンが多いとメタノール濃度がやや高くなるようだ。高くなっても、問題にならないレベルのようだが、気になる人はペクチンの多い果汁を発酵させるのは控えた方が良いだろう。
ちなみに、オレンジのように繊維質の多い果汁を発酵させると、そうでない果汁に比べて発酵が早く進む傾向がある。また、その際硫化物のような臭いも発生する。繊維質が、酵母の働きに何らかの影響を与えているようだが、まだ調べていない。

合法スパークリング葡萄ジュース [リーガル]

葡萄ジュースからワインを作るのに、ウエルチが良く使われる。濃縮還元100%ジュースで、ワインに向いた品種を使っているためである。そのままジュースとして飲んでも美味しいが、ここに酵母を入れれば簡単にワインになる。下にも書いた様に、フレッシュなワインを楽しむなら、RED STARのCote des Blancsがお勧めだ。amazonで5g入り、一袋260円で買える。(ただし、送料550円なので、まとめ買いが必要かな)一袋で20Lのワインを作れるので、ジュース1本なら、だいたいその1/20で良い事になる。白葡萄ジュースなら、キャップを外して、そこに酵母をさらさらと少量入れれば、準備完了だ。あとはキャップを軽く乗せて(締めない)、1-2日置けば、全体が白く濁り、シュワシュワと元気に泡が出てくる。このままさらに数日放置すれば、ちゃんとしたワインになるが、この1-2日の若いところで飲んでしまうという手がある。1-2日では、アルコール濃度はかなり低い。うまくすれば1%未満で抑えられる。これなら酒税法には触れない。アルコールが1%未満というと、梅酒ジュースみたいなものだが、それでもそこそこ酵母も入っており、口の中ではスパークリングワインと類似の発泡を感じる事ができて、なかなか美味しい。泡の中から葡萄の香りがはじけ出すのだ。無発泡のジュースよりも風味が豊かになる。この方法なら、清潔な手で作業すれば、ボトルの消毒も不要だし、酵母の粉を入れるだけなので、面倒が無いのが良い。ほんの少ししか発酵していないので、甘さはほとんど変化しない。(若干甘さ抑えめになる程度)
赤葡萄ジュースでも同じ事ができるが、この場合は注意が必要だ。赤葡萄には色素等、いろいろな成分が含まれているので、発泡すると泡が消えにくく、ボトルの上に泡がたまってしまう。ウエルチは、ジュースがめいっぱい入っているので、上部に隙間が無く、泡がたまるとすぐに吹き出してしまう。したがって、赤葡萄の場合は100ml程度減らしておいた方が安全である。ただし、Cote des Blancsの場合は、最初だけ泡が乗るがその後泡は消えるので、それほどたくさんの隙間を作る必要は無いかも知れない。

昨日、ボジョレーヌーボーが解禁されたが、自宅で作る合法(?)葡萄ジュースも新鮮で、なかなか美味しい。冷蔵庫で冷やせば、発酵はほぼ止まるので、しばらく保存も可能である。(長期保存すると、低温でも発酵が進むことがある)


通販のマッコリは美味しくない [がっかり]

韓国で美味しいマッコリを飲んで、はまっていた頃、日本国内での生マッコリの通販を利用した事がある。日本の酒屋で買えるのは、酵母を殺した後で炭酸を入れた偽生マッコリなので、本場の生マッコリとは全く味が違う。通販では、生のマッコリが手に入るということで、喜んで買ったのだが、届いたのは気の抜けたようなマッコリであった。しかし、後になって考えて見れば当然の事だ。本場韓国では、生マッコリはフリーザーに保存されている。お客が来ると、シャーベットのように、それをしゃくしゃくしてボールに入れて出してくれたり、ボトルに詰めたりしてくれる。ボトルのキャップを閉めて数分放置すると、次に開けた時には大噴水の大変な事になるほど発泡している。これは生きた酵母による発酵で出てきた炭酸ガスによるものだ。こんな危険な物をそのまま運送業者に頼んだりできないだろう。つまり、通販で購入できるという時点で、酵母はかなり殺されていると考えた方が良い。現在、国内の酒屋で売っているどぶろくも同様である。酵母は生きているが、全部では無いと思われる。炭酸ガスを抜くキャップがつけられているが、元気の良いどぶろくは、そんなもので何とかなるレベルでは無い。10年前にチェジュ島でマッコリに出逢った時には、実は普通にスーパーで生マッコリが売っていた。もちろん、冷蔵庫に入っていたのだが、瓶のキャップはゆるんでおり、常時泡が吹き出してべとべとしていた。当時、何も知らない私は、不良品だと思って、なるべく吹き出していない瓶を選んだ覚えがある。生マッコリの迫力は、本場のキムチと類似しており、いわゆる爆弾である。それ故、チェックイン荷物に入れてお土産にする事ができない。(キムチ爆弾は有名である)もし機内に持ち込めたとしても、気圧の下がった機内で無事に済むとは思えない。生マッコリを日本に持ち込むとしたら、釜山からフェリーで持ってくるしか無いのではないだろうか。(検疫の問題があるかどうかは知らないが)
マッコリのおいしさは、まさにその活き活きとした酵母にある。日本では酵母の活きた酒は手に入らなくなってしまったが、大昔、猿が自然にできた酒を飲んだ時、そのうまさにはまったのは、まさにこの活きた酵母の味だったのではないかと思う。世界中に、独自のどぶろく(原料は様々だが、自家製の醸造酒の事)があるのもうなずける。自家製の活きた酒は、長距離運ぶ事ができず、手元で日比変化していくその活きた酵母の味を楽しむものなのだ。酵母には、様々な有益な栄養分が含まれており、健康にも非常に良い。微生物との共存なのだ。
瓶で熟成した赤ワインは、新鮮な葡萄とは全く異なった香りと味を楽しむ事ができる。缶ビールもうまい。純米大吟醸も原料が米とは思えないフルーティーな香りとすっきりとしたうまみを楽しめる。しかし、どれも活きた酵母の新鮮な酒の味は楽しむ事ができない。韓国で可能な事が、日本ではできない。いや、世界中で可能な事が日本ではできないのだ。酵母の活動という「自然」を法で縛ろうという不自然さがそこにある。

ハニームーン [リーガル]

新婚旅行をハネムーン(ハニームーン)と言うが、なぜ「蜜月」なのか、ただ熱々の甘い時間という意味かと思っていたのだが、どうもミードと呼ばれる、蜂蜜から作るお酒が語源だという説があるようだ。
下にも書いたが、要するに糖分と酵母があれば、酒ができる。甘い物を見つければ、発酵させて酒にしようというどん欲な輩は昔から大勢いたに違いない。蜂蜜は、糖度が約80%と非常に高く、そのため細菌は生きていけないので、腐敗しない。酵母も生きられないので、そのまま放置してもお酒にはならない。というわけで、こういった物の場合は水で薄めてやることで、糖度を下げ、発酵させてお酒にする。こうして蜂蜜を水で薄めて作ったお酒をミードと呼ぶ。蜂蜜にはもともと酵母が入っているらしく、要するに水で薄めるだけでお酒になるのだ。しかも、この酵母は耐糖性が高い種類らしい。と言うことは、アルコール度数の高いお酒ができる事が期待される。そもそも蜂蜜は健康に良い成分が多いので、これを発酵させて飲めば、相当元気になりそうである。酵母には、精力増強の栄養分も多い事から、ミードを飲むと、あっちの元気が相当出そうだ。
それが理由かどうかはわからないが、古代ゲルマン民族は、新婚の1ヶ月を、このミードを飲みながら子作りに励んだと言われている。そして、それがハニームーンの語源だというわけだ。
これも自宅ですぐに試すことができる。ミード用の酵母も売っている。もともと入っている酵母に多大な期待をするのは、お勧めしない。蜂蜜は腐らない事を良い事に、結構ずさんな管理がされている事が多い。そのまま水で薄めると、酵母よりも先に雑菌が精力を伸ばすかも知れない。きちんと酵母を使って、確実に発酵させた方が安心である。

#しつこい様だが、許可を得ずに1%以上のエタノールを醸造するのは酒税法に違反するので、ご注意を

ワインの作り方 [イリーガル]

ドブロクに比べれば、ワインの醸造はずっと単純である。
葡萄はもともと多くの糖分を含んでいるので、葡萄ジュースを酵母で発酵させれば、ワインになる。ただし、国産葡萄は、糖度が不足するらしく、そのまま発酵させてもアルコール度数が足りなく、ちょっと気の抜けた感じのワインになってしまう。そのため、多くのワイナリーでは加糖を行っていると言われている。
家庭でワインを作るには、自分で葡萄ジュースを作るのは大変なので、スーパーで葡萄ジュースを買ってきて、砂糖とワイン用のイーストを加えてしばらく待てば、それでOKである。通常の葡萄ジュースは糖分15%程度なので、これが全部アルコールに変われば8%程度のアルコールになる。加糖を行えば、その重量%の半分だけアルコール分が増える事になる。例えば、10%分加えれば、アルコールが5%増す勘定だ。
家庭で作る場合、発酵後、熱処理で酵母を殺して、さらに十分に熟成させるような、通常のワイン製造の手間をかけることは面倒なので、できたてを酵母ごとそのまま飲むのが良いと思う。その場合には、フレッシュなワインに向いた酵母を選ぶのが良いだろう。RED STARのcote des blancsは硫化物の生成が少なく、フレッシュなワインに向いているというこだ。
ワイン酵母は、通販で1袋250円程度で、20L程度のワイン製造に使える。1L程度のジュースには、少量を入れればOKである。酵母菌は2時間で1度程度発芽分裂し増えていくので、量は適当で良い。ドライイーストの場合、35℃程度のミネラルウォーター(水道水には殺菌成分が含まれているので好ましく無い)に入れて活性化を行うと、初期の発酵がスムーズに進む。

#なお、1%以上のアルコール醸造は酒税法違反となりますので、ご注意を。

ドブロクの作り方 [イリーガル]

ドブロクを自宅で作るのは基本的に酒税法違反である。ただし、アルコール濃度が1%未満であれば、その限りではない。
ドブロクは、本来はその辺にいるカビや酵母をつかまえて作る物であるが、素人がそのようなやり方をすれば、失敗の危険性があるのは言うまでも無い。初心者は簡単な方法でチャレンジすべきである。
ドブロクは、基本的には日本酒と同じ発酵で、主要原料は米と米麹、そして酵母である。米麹は、菌糸の先端から、デンプンを単糖や二糖類に分解するアミラーゼ酵素を放出する。この酵素を使って嫌気下で米のデンプンを糖に分解する。(いわゆる甘酒である)本来は、蒸し米と種麹を使って米麹をつくるところから始めるのだが、スーパーに行けば乾燥米麹が売られている。それを使えば米麹造りは省略できる。
糖からエタノールを生産するのは、酵母菌である。葡萄やリンゴの皮に自然に巣くっているし、部屋の中にも漂っている。しかし、酵母の種類によって、生成されるエタノールの濃度や副生成物の種類が変わって、要するに味が変わるので、美味しいどぶろくを造るには、それに適した酵母を使うのが望ましい。とは言っても、簡単に入手できる物では無い。一番簡単なのは、パン作り用のドライイーストを用いることだ。小麦粉をふっくらと膨らますのは、一緒に練り込む砂糖を原料として、酵母によるアルコール発酵で発生する炭酸ガスである。要するに、パン用のドライイーストは醸造用の酵母(イースト)と本質的には同じものである。ただし、アルコールはパンを焼いている間に飛んでしまうので、パン用のイーストは、生成されるアルコールの質にはこだわっていない。短時間で発酵が進む、元気な物が選ばれる。これは、醸造用にはあまり適していない事が多い。醸造ではどちらかと言えば、やや穏やかに発酵が進むタイプが好まれる様である。パン用のドライイーストでお勧めは、safドライイースト金ラベルである。お値段も安く、癖もあまりない。ワイン用のドライイーストも通販等で手に入る。ただし、ヤングイーストは、中に石が入っているので、どぶろくには適さない。RED STARのPremier Cuveeあたりがアルコール耐性も高く、おすすめだ。ヤマヤに行けば、酵母の生きているどぶろくが販売されている。このどぶろくの澱を使うのも良い。(どぶろくの澱や酒粕だけでどぶろくができると思っている人が時々いるが、これは無理である。麹が放出する酵素は、寿命が短く、酒粕の中にはほとんど残っていない。酵素が無ければデンプンは糖に分解されないので、酵母はアルコール発酵することができない)米麹は新たに加える必要がある。

簡単にまとめると以下の様になる。
蒸し米(デンプン)×米麹(アミラーゼ酵素)->糖(ブドウ糖等)
糖×酵母菌(イースト)->エタノール(+副生成物)+炭酸ガス
となる。ドブロクでは、米麹と酵母を一緒に混ぜ込む事により、上記の2つの反応を同時進行で進める。酵母菌は、糖濃度やアルコール濃度が高いと活性度が落ちてしまうが、同時に反応を進める事により、糖濃度を低く抑える事ができ、結果として高アルコール濃度を実現できるという特長を持つ。

自宅でどぶろく造りを行う場合、雑菌の混入・増殖が怖いので、最初にヨーグルトを少し加えるという技が良く使われる。乳酸菌は、pHを下げ、さらに乳酸菌自体が他の菌の増殖を抑えるため、ヨーグルトを入れておくことにより、初期の発酵時の雑菌の増殖を抑えることができる。発酵が進み、アルコール濃度が上がると乳酸菌は死んでしまう。

ネットに掲載されている(著名な本を参考にした)どぶろくの作り方の典型は、以下の通りである。
1.米3合を良く水に浸した後、炊飯器の水加減を2合に合わせて米を炊く
2.良く洗った(できれば熱湯やアルコールで消毒)3L程度の広口のガラス容器(梅酒用等)に上記ご飯をいれ、そこに800cc~1200cc程度の水を加える。
3.そこに乾燥米麹200g程度、ドライイースト3~5g程度、ヨーグルト大さじ一杯を加えて、良く混ぜる。
4.密閉せずに、軽く蓋を乗せる、もしくはラップをかける等して、日の当たらない部屋に置く。
5.しばらくすると、米が溶けて(アミラーゼ酵素)、発酵が始まる(酵母)。炭酸ガスで上に米が浮くので、清潔なへらやお玉(熱湯殺菌)で毎日1回くらいかき混ぜる。
6.2日~1週間程度で完成。(気温や好みの最終発酵度による)
7.ざるで濾過して、濁り酒と酒粕に分けるか、酒粕ごとミキサーにかけて全部を濁り酒にしてしまうか、どちらかの方法で、どぶろくを絞り出し、PETボトル等に入れ、冷蔵庫で保存。低温では酵母の活動が止まるので、発酵が停止するが、暖まれば再開されるので、蓋を密閉すると爆発の危険があるので、注意。完全に発酵が終了する前に瓶詰めして、密閉する事で、炭酸ガスを溶け込ませて発泡性のお酒にする事ができる。
2で加える水の量を増やせば、全体に薄くなり、マッコリ風にもできる。マッコリでは、比較的若い、発泡性が高い状態で飲む事が多いので、適当に調整する。

#なお、アルコール濃度1%を越える発酵は酒税法違反なので、くれぐれもご注意を


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